科学が近づく仏教の世界1はじめに
「死後は必ず地獄」
これが私の結論です。1人の例外もありません。
地獄という言葉は、日本語としても通用しますが、本来は中国語です。古代インドのサンスクリット語ではナラカといい、音写(語音を他の言語の文字を用いて書き写すこと)で奈落、それを中国人が地獄と訳しました。日本語では「苦しみの世界」という意味です。
地獄というと、「悪いことをやめさせるために作られた架空の世界」とか「自殺を防止するためのたとえ話」といったように、荒唐無稽な世界だと思う人が多いですが、そうではありません。実在する世界です。この世に地獄と形容できるような苦しみが”なぜか”実在するように、死んだ後にも実在するのです。
いわゆる本流物理学と呼ばれる道を進み、オカルトや宗教が嫌いだった私が、なぜこんな結論に至ったのか、もちろんそう言えるだけの証拠をつかんだからであり、それをこれから詳しく説明していきます。
最後まで読めばきっと理解してもらえるはずです。
「死後は必ず地獄」といえるためには、どんなことを示せばいいでしょうか。
次の3点がすべての人で成り立つことを示すことができれば、「死後は必ず地獄」といえると考えます。
1.重い罪悪を造っていること
苦しみを生み出す原因となる行い、その行いのことを悪と呼んでも罪と呼んでもいいですが、本書では基本的に罪悪で統一します。罪悪といっても、軽いものから重いものまで様々ですが、地獄と形容されるほどの苦しみを生み出す「重い罪悪」を造っているということです。
2.罪悪が死後に相続されること
その重い罪悪が死後に相続される必要があり、簡単に言えば「死後の存在」です。たとえば、重い罪悪を造っていても、それが死後に相続されなければ、「死後は必ず地獄」とはいえません。
3.罪悪の重さに応じた悪い結果をもたらすこと
相続された罪悪に応じた悪い結果をもたらす必要があり、簡単に言えば「因果応報」です。たとえば、重い罪悪を造り、それが死後に相続されても、相応の悪い結果をもたらすことがなければ、「死後は必ず地獄」とはいえません。
以上を簡単にまとめると、
1.重い罪悪
2.死後の存在
3.因果応報
ということであり、
「重い罪悪」+「死後の存在」+「因果応報」
=死後は必ず地獄
ということです。シンプルです。
「重い罪悪」「死後の存在」「因果応報」の1つ1つについては特に珍しい話ではなく信じている人も多くいます。しかし、3つを結びつけて考える人はほとんどいません。3つが結びつくと、「死後は必ず地獄」という深刻な結論が導かれます。3つが結びつかないと、大した問題にはなりません。
「悪い事をしたら罰があたる」
誰もが1度は聞いたことがあるでしょう。
これから難しい話もすると思いますが、なぜ死後が必ず地獄であるかという理由をごく簡単に言えば、「悪いことをしているから」です。
たとえば、人間は「生き物の命は平等」と口では言いながら、多くの生き物を殺したりしています。
そういった悪いことをしているから、因果応報で死後が必ず地獄だということです。
本書は、昔からいわれているこの当たり前のことを、少し科学的な知見も交えて論じているだけの本ともいえます。
科学が近づく仏教の世界1「死後は必ず地獄」
はじめに
第1章 死後の存在
第2章 因果応報
第3章 罪悪
第4章 仏教が説く地獄
第5章 様々な反論を考える
第6章 解決法